自由記述欄

広く浅く履修するオタクの戯言。

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~WINTER 2023~ 感想

今(2/20)ならまだ間に合うのでぜひ劇場で見てください(切実)

最高すぎて感想らしい感想で書けるものがないので個人的な見所だけ書いておきます。

偏りがあるのは俺の目が2個しかなくてつい推しを見てしまうからだ許してくれ

 

全部ネタバレです順番間違ってたら申し訳ない

 

1部

・冒頭のアンドロイドソングでトンチキなのにキレッキレなロボットダンス、特に丞とシトロン

・原作では全然反りが合わない〜っていうのを折に触れてやるのに、エーステだと身長差の都合で結構な間ダンスがシンメになってる丞と誉

(反りが合わないし理解は諦めてるけど認めてる原作よりもう少しなかよぴーに見える)

・見どころじゃないけど、ザフラ語で喋る時スポットライトが緑(初見では気づかなかった)

 

・乾杯ソングでニッコニコな密

(ゲームの立ち絵だと表現しきれない普段の表情の良さがすごい)

・冬組メンバーにお皿を配る紬

・アリ1000匹で誉にアリ攻撃する紬

・乾杯ソングで手と腕が長すぎて頭に刺さってる誉

・ノリにはついてきてないけど乾杯はしてくれるガイ

 

・実家に帰る東さんを察知して必死に追いかける(原作比)丞

・酔っ払った支配人を受け取った時の「咲也です〜」

・丞に友達って言われた後、友達ね、って言いながら意味深にめちゃくちゃ笑う東

・東の実家のシーン全般。ここはなぜか遠目で見た方が個人的にはグッときて良かった

 

・よろしく頼むで噛み合わない紬とガイ

・随所にある誉のポエムは少なくとも東京凱旋では各ポエムラストが日替わり

・雄三さんの機材搬出シーンは毎回日替わりで過去の劇中劇の小道具使ってボケてる

 

ガイがみんなから話を聞くシーンの

・各キャラ、ソロ曲がある人はその曲のモチーフが入っている(と思う、音楽音痴なので怪しい)

・高速で雑草抜きをするガイ

(神戸か凱旋あたりでやらなくなった気配があるので千秋楽配信だとのってないかも)

・ガイの立場を踏まえすごく良いことを言っているのにトンチキダンスな誉

・密が歌い出した瞬間に何故かそう感じる孤独感

・東の頭を撫でた自分に困惑するガイ

・東の回想?シーンで酔っ払った誉に対しなぜか尻を叩いて起こす丞

(これ東京初演の時やってなかった気がするので日替わりで違うことしてるかも)

・ストリートアクトで華麗に踊ってるのに全然息切れしないハイパワーな丞

・最後ちょっとだけ歌おうとしてあれってなるガイ

Twitterでガイが歌うのは心を思い出してからってツイート見て天才だと思った)

 

・途中から真顔で日替わりボケを突っ込むせいで時々みんなが笑っちゃってるガイ

・お父さんとお母さんのスポットライト

・ガイが過去を思い出すシーンの他のメンバーの演技

・ガイがたくさん笑えますように、を最初に読み上げるのが丞(お父さん)

・ガイの歌全部

 

2部

・劇中劇全部

・カールとリチャードの身長差

・ただのファンにしてはめちゃくちゃ歌がうまいフィル

・やっぱりフォーメーションダンスがキレッキレなラウル

・エリックを見て階段を転げ落ちるリチャードの転がり方

・燭台を倒しながら逃げるリチャードの悪い顔

・崩れ落ちるオペラ座の中で友への歌を歌うファントムのギラギラした目

(これは1階席からだと上への角度がつきすぎてちゃんと見えないかも……配信で拾ってほしい→配信で見えます)

 

・ストリートアクトの時に名前でいじられた時に特に丞に食ってかかる晴翔

・ちゃんと小道具の仮面をガイから回収して帰る晴翔

 

・日本で大人気の劇団ってことになっているのを知って頭痛が痛い状態になる綴

戴冠式のリハーサルを終えたシトロンとタンジェリンのじゃれ合いは何種類かある

(ハグとくすぐりは見た)

・ガイが感情を理解してくれなくて寂しかったシトロンの歌を、感情を取り戻したガイが改めて歌うところ

・シトロンがファントム観てる時の後ろの衛兵は支配人と雄三さん

(数が明らかに合わないので、戴冠式とかセリフのないタイミングでちょいちょい入っている→レニさんと晴翔もいる)

・タンジェリンが転んで咲也と綴が助けるシーンで、最初は緑色とピンク色のライトだけなのが、歌が進むにつれて黄色?黄緑?のライトが増えていくところ

・千景からシャンデリアが落ちてくることを知らされて、全員を庇った後に自分も避ける密

・Show must go on(曲名わからん)の時の咲也は目をかっ開いて見てくれ

・シトロンが戻ってくるシーン、ガイが近づいてくると途端に上に立つ者としての顔を見せるシトロン

・感情を取り戻した途端に色々と飛び越えてくるガイ

・お前とずっと友達になりたかったんだ、は毎回言い方が少しずつ違う

 

・ANSWERでも24flowersでもダンスを合わせるのを諦めている?冬組メンバー6人

(元のフリは同じはずなのに、キャラの個性が出すぎて別物になっているすごい)

・ANSWERでニコニコしながら肩を組んだり、人差し指と親指で直角を作るポーズをドッキングして可愛いシトロンとガイ(語彙力)

・紬の演者さんが卒業ということとうっかりリンクして泣いてしまう咲也と紬のラストシーン

 

・24flowersの後半で丞ガイ誉で並ぶと身長と手の大きさと顔の小ささがバグ

・客降りで見える範囲のファンサ依頼を顔をしかめつつ大体全部やってくれる雄三さん

・客降りでガイを見上げると彫りが深すぎて色々な影ができてるのやばい(語彙力)

 

とりあえず思いついた分は書いた

春と秋は見たんですが、それにしても劇中劇が長くて全体的に歌が多くないですか?すごい

みんな配信でも良いから頼む見てくれできれば見切れ席でいいから劇場に行こう……以上です

2023.1.11

正気の時には読めない本、というのが1シリーズだけある。

人生で何度かは読んでいるけれどそんな理由で一番読んでいる本ではないし、色々なことの後遺症みたいなもので長期の記憶力が人よりいくらか衰えているせいで事細かに思い出せるかといったらそうでもない。

文庫本でたかだか100ページかそこら読んだ後に、急にこんなことを書きたくなってしまうくらいには正気でいることが難しい。

 

初めて読んだのはたぶん、10歳かそこらの頃だったと思う。

当時家にあったとあるシリーズが結構面白くて、じゃあ同じ作者の別の本も読んでみようと思ったのがきっかけだった。

図書館で借りて、まだその頃は何か色々と起こる前だったし何より感性のかの字もない時分だったのもあって普通に読んでいた。

 

あれが今までで一番面白かった、と明確に思ったのはもう少ししてからで、もっと言うと読んだ当時はこのシリーズは完結していなかった。

自分が生まれる何年か前に始まって、最後の単行本が出てからもう何年も音沙汰のないシリーズだった。

 

残念ながらこの間に作者の文体は強烈な切れ味を失って、最終巻はごく普通の小説になってしまった。

だから物語の終わりがどうこうではなく私が好きだった部分が消えて無味になったと言う理由で、最終巻が一番好きじゃない。1かせいぜい2回しか読んでいない。

 

漠然と、いつか千歳烏山に住みたいと思っていた。

それはこのシリーズが理由で、けれど誰がいつ住んでいた設定だったか思い出せなかった。

あるいは作者かと思ったがそうでもなく、ただ踏切のシーンと鮮明な駅前の描写があったことしか覚えていなかった。

 

この何年かの間に何度か引越しをして、その度に持ってはいたものの開いた記憶のない本を手に取った。

とりあえず社会性が摩耗しないあとがきから見て、確かに千歳烏山に住んでいるキャラクターがいることを確認した。

シリーズで一番好きなキャラクターが、ある地点で住んでいる街だった。

馬鹿の一つ覚えのように、理由も覚えていないまま千歳烏山という地名だけを覚えていた。

 

いつの間にか、彼の年齢をとうに越していた。

初対面の人間の前で踏切のど真ん中に突っ立って死にそうになったこともなければ、シャノワールのコーヒーをソーサーにぶちまけがてら、黒い河を作ったようなそんなこともない。

キッチンも何もかも合わせて8畳くらい、角部屋か何かにありがちな変な形をした壁紙の剥がれたワンルームに、超高級グランドピアノただひとつだけ。

いくらフィクションとはいえ、少女向けのレーベルでよくもまあ載ったものだが、それでも確かに私は、彼と同じ世界を見てみたかったのだと思う。

 

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTUMN 2022~ 感想

若干今更感がありますが、書きたいことがまとまってきたので秋単2022の感想を書いてみます。

 

 

はじめに

前置きですが、この感想は秋組のオタクではなく冬組のオタクから見た

秋単ないし最近のエーステに関する感想文になります。

秋組のことをあれこれ感想にできるほど詳しくはないような気がするので、

今回の秋単で強く感じた「MANKAI STAGE A3!」とは、みたいな部分を含めた感想を書きたいと思います。

 

エーステをどれくらい見ているのか

読み飛ばして頂いても結構です。

ざっくり言うと冬組が揃って出ている公演は大体全部見ています。以下略称。

・AW2019

・Winter 2020(8月再演時のチケットが取れず唯一映像のみ)

・4S Live 2020

・Winter 2021

・トルライWinter

そして今回の秋単Act2、あと春単Act2は予算と予定の都合がついたので観に行っています。

今回は「最近のエーステ」という裏タイトルでここの話をしようと思います。

夏単Act2は観れていないので前回からそうだったが?というところもあるかもしれません。

また便宜上、ここから先「Act2」の表記は省略します。

 

本題

ここから先、総称として使う言葉について先に断っておきます。

・メインキャラ

秋組のキャラクター6人。

・サブキャラ

雄三さん、支配人など、基本的に原作でスカウト対象にならないキャラクター。

・出張キャラ

他組からの出演キャラクター。秋単であれば夏組のキャラクター。

 

で、なぜこの断りを入れたかというと、まず1点目に話したいのがサブキャラの良さというところだからです。

 

サブキャラの出番と持ち味

A3!の原作の時点で、ストーリーにおいて比較的サブキャラにもスポットが当たる印象がありますが、

エーステはさらにこれが現在進行形で強くなっていると感じました。

例えば、雄三さんや支配人のアドリブパートだったり、カテコでのお願いパートなど。

もちろん出張キャラやメインキャラが担う部分もありますが、

(メタ的に言えば早替えが必要な部分の穴埋めとして)必ずと言っていいほどがっつり喋るパートがある印象です。

 

というのも、エーステでは主要なシーンないし劇中劇をフルでやって歌を使う関係と、

元々のストーリーにいるキャラクターが全員出てくるわけではないということから、

当たり前ですがストーリーの変更ないし一部カットが生じます。

そうすると、例えばMANKAI寮のシーンや稽古のシーンが削られることが比較的多く、

(これは舞台でやるとメリハリがつかず間延びしやすいというのもあると思いますが)

逆に、春単であれば真澄と岬パパのシーン、秋単であれば銀泉会のシーンの占める割合が

ストーリーの尺と舞台の尺を比べた時に舞台の尺の方が相対的に長くなることになります。

また+@として、先述の通りメインキャラないし出張キャラを出せない、

いわば舞台上で尺を稼ぐ必要があるシーンでも着替えのないサブキャラが登場します。

 

つまり、原作でもそれなりに出番のあるサブキャラに対し、

エーステではさらに出番が増えているということになるんじゃないかという話です。

 

そして、メインキャラ以上にサブキャラが難しい点として、

サブキャラの固定ファンはかなり少ない、という点があります。

これは個人の感想として捉えていただければと思いますが、

ある程度キャラに寄せることができれば、元々のストーリーと合わせていい意味でゴリ押していけるメインキャラに対し、

サブキャラは似る似ないどうこうを気にするファンがメインキャラより少ない一方で、

メインキャラ以上に演技力や経験が求められる出番ばかりがやってくるということになります。

 

ここがエーステのすごいところだと思っているのですが、

基本的には最年長ないし2番目あたりのキャストはサブキャラから出ます。

年齢や芸歴が全てではないですが、サブキャラである、またより先輩であるという

一歩引いた視点から、稽古も含め座組みを支えてもいるのではないかと思っています。

(銀泉会会長、雄三さん、レニさん、座組みによっては支配人が最年長だったりもします)

 

基本的には、と書いたのは、普段多くの回数を見ている冬組の公演だとあまり感じなかった点だからです。

というのも冬組ってメインキャラの設定だけではなく、キャストの年齢層もかなり高めなんですよね。

他組ではエーステ開始当時10代だった……みたいなキャストもいる中、

2022年12月現在で20代なのは有栖川誉役の田中涼星さんだけです。

ということもあり、冬組のメインキャラだけでも割と円熟した雰囲気というか、

荒削りっぽくはない雰囲気になってくるんですよね。

 

もちろん、他の舞台でも同様の状況は多々起こりますが、

特にエーステの場合はメインストーリーがありながら大幅に改変し、

なおかつ元々の題材である舞台の面白さ、という点に演目自体を寄せていく必要があるというところを含め、

サブキャラの存在、軸となる演技力は非常に重要だと思っています。

 

これを秋単で非常に強く感じたシーンは、まあ言うまでもないかと思いますが、

莇と秋組キャラ、そして迫田が銀泉会にカチコミにいくシーンです。

このシーン、メインキャラが喋らない時間が相当長いです。

迫田が一方的にひたすら喋るシーンは特に、その特性上、

喋る迫田も大変ですがそれを聞く会長の方が大変なシーンだと思っています。

ぼーっとしているように見えるのか、はたまた上の人間が威厳を持ったまま聞いているように見えるのか、

動きもほとんどなく、セリフもなく、そういったシーンで軸になれるキャストを配役している、

これはエーステの強みと言っていいのではないでしょうか。

 

迫田の口上にも圧倒されましたが、シーンの最後で乱れた襟を正し、

監督に頭を下げる会長の姿があってこそグッと締まるいいシーンだと思いました。

今更感はありますが、あのシーンは劇場で観ると価値が何倍にも高まるシーンだと思います。

 

MANKAI STAGEとMANKAI劇場

エーステの弱点だと思っていた部分、これが解消されたのでぶっちゃけたいと思います。

序盤から中盤にかけての稽古や日常のシーンで歌がないとき、

ちょっと間延びするなというのがエーステのもったいない部分だと思っていました。

特に冬組公演は基本的に複数回観に行っていたこともあり、

なんといいますかこう、ストーリー進行上必要ではあるけれど、

その場では伏線を張るだけのシーン、というところの間延びが気になっていました。

有り体に言ってしまうと、こういったシーンってただ見ているだけ、

舞台上の動きも感情の起伏も大きくなく、消化試合のようになってしまうんですよね。

 

これが秋単で解消されたな、と思いました。夏単からだったらごめんなさい。

日常のシーンに、出張キャラを含めた原作にないやりとりやアドリブがあったり(ニョッキとか三角コーンとか)

うんたらかんたらーの件がただの暗転ではなく抱えられての強制退場になってたり

ただ脚本をなぞるだけではない、その場にしかない舞台の面白さが詰まってました。

 

あと千秋楽の前座の芝居がガチの日替わりだと知ってびっくりしました。

凱旋の12/3ソワレだったので初恋甲子園の衣装着ててやべーってなりました。

 

以前から稽古で出張キャラがアドリブをするという傾向はあったように思いますが、

(書いてて思ったけど冬単のシトロン一成の漫才の見過ぎかも知れない)

ここまでアドリブが多いのは初めてでは?と思いました。

春単は1回しか見ていないのもあり間延びはさほど気になりませんでしたが、

ものすごく印象に残る舞台というよりはストーリーを堅実に舞台化した、

いい舞台だったなあというような感想です。

一方、秋単は1幕が終わった時点で、生で見る舞台としての面白さが過去最高だと思いました。

(レポとか見きれていないので日替わりだと認識しきれていない部分がまだありそうです)

 

で、何を感じたかというと、

これがMANKAI劇場で観るMANKAIカンパニーのお芝居なんだろう

というじんわりとした実感です。

いい意味で、あんまり色々細かくは覚えていないんですよね。

冷静に舞台を見て記憶する脳みそが働いていないので。

 

円盤で観ると原作よりシリアスさが薄れてなんだかなあと思うのかもしれませんが、

「多ステ通いたくなる」「生の舞台」としては今までの中で圧倒的に良かったな、という感想です。

日替わりやりすぎて終演時間が押したり

日替わりネタをいいことにちょっといじられる左京さんがいたり

素直なネタで素直に笑ってしまう十座がいたり

こういう、いい意味での生々しさみたいなものがとても強かったです。

 

終わりに

急に書いたので書き忘れていることもありそうですが、

まあこういうものは躊躇ったら負けなので一旦公開してみようと思います。

 

秋組(+夏組)と同じようなテンションでは冬組(+春組)はやらないと思いますが、

秋単で観せてもらった舞台の良さ、エーステの楽しさみたいなところが

存分に出たいい演目になればいいなあと、冬単Act2に期待しています。

あのシリアスな話にどうぶっこんでくるか、難しいとは思いますが

ぜひこの流れを保持したまま、「舞台」を「舞台」で演じるちょっと不思議な演目として、

何よりエーステが長く続いていってくれればいいなあと願うばかりです。