自由記述欄

広く浅く履修するオタクの戯言。

IT初心者の社会人が独学2カ月で基本情報技術者試験に受かった話

 

受かったって書いちゃいましたがあくまでも自己採点ベースなので

本当は落ちちゃっててそのうち静かに下げてるかもしれないです笑

 

【追記】

受かってました。

 

 

 

 

知識0から1週間で合格!

とうたう記事もありますが、個人的にはかなり難しいと思います。

記事読んでもなんやかんやで知識0じゃないんじゃないのと疑ってしまうレベル

あと短期記憶で資格だけを取ってももったいないような。

いつ役に立つかわからない知識ではありますが、

せっかく時間とお金を使うのであれば実のあるものにしたくないですか?

私はしたいです(知らんがな)

 

さて。

自己採点の結果をさくっと書いておくと、ボーダー約60%に対し

午前 71.25%

午後 満点の小問分48%+残りの正解数が16/21

だったのでマークミスが無ければ合格……のはず。

 

なお当ブログはガチ初心者がこんなことして受かった(仮) という話なので

専門的なこととか詳しい解説とかが読みたい方には不向きです。

ざっくりどんなもんか知りたいor超初心者で何したらいいかわかんない人向け。

 

 

目次

 

 

筆者の(元)スペック

  • 情報系・IT系の知識は一切なし
  • 学生時代は文系
  • 社会人最低ラインレベルのPCスキル
  • もちろんプログラミングなんてやったことない

よくこんな状態から受けようと思ったな……と自分でも呆れるレベルの知識のなさ。

 

なんで受けようと思った?

ぶっちゃけ仕事絡みですね。

ゴリゴリのITじゃないんですが、

基本情報の内容に多少触れる程度の仕事をすることになりまして。

予想外の展開と知識のなさに焦る焦る…。

それなら勉強がてら取っといたらー、という同僚の勧めで挑戦することに。

後に後悔することになるんですがね。知識0からやるにはあまりの難しさに。

勧めてきた同僚は適当なノリながらプログラムががっつり組める人で

そんな人の「難しくない」という言葉を何故私は信じてしまったのか。

 

そもそも基本情報技術者試験って何?

www.jitec.ipa.go.jp

大半の方はそんなん知ってるわ!  ってところでしょうが一応。

ちゃんとしたこと知りたいなら公式見るのが1番ですが、要約すると

一応 国家資格

・ITエンジニアの登竜門

・情報技術の有効活用やシステム開発の基礎知識を問う

 といった感じでしょうか。

前身の資格が1969年から始まったことを考えると、歴史ある資格と言えるのではないでしょうかね。

 

独学でも受かる?

これは人によるとしか言えません。

資格試験全般に言えることですが、1番大変なのは勉強ではなく

勉強するモチベーションの維持です。確実に。

私の場合は

仕事で使う内容も若干ある(1番大きい)

・周りに情報技術者試験を受ける人がいた(IPA主催は試験日が同じ)

・それなりに時間が取れるので自分のペースで勉強したかった

・正直言ってお金はない

という背景があったので独学でも大丈夫でした。

モチベーションが全く死ななかったかというと……

途中で一旦死にましたよ、ええ。

でも他の人が仕事の合間で勉強してたり、励ましてくれたり、教えてくれたり……

と環境に恵まれていたのもあって無事にやりきることができました。

 

まとめると、

独学に向いている人

  • 勉強が苦手ではない人
  • 黙々と勉強できる人
  • 言葉で聞くより文字を読む方が身につく人

スクール系に向いている人

私は通ってないので独学の裏を返せば……というところですが

  • 勉強が苦手な人
  • 文章を延々と読むのが苦手な人
  • 一発で受からないといけない人

といったところでしょうか。

 

問題の内容

これもご存知の方が多いかと思いますが念のため。

 

午前

  • テクノロジ系 50問
  • マネジメント系 10問
  • ストラテジ系 20問

栢木厚(2006年)株式会社技術評論社

栢木先生の基本情報技術者教室 P11

ざっくり言うと

  • いわゆるコンピュータやシステムに関わるところ。知識がないと1番きつい
  • プロジェクトやシステムのマネジメントや監査。読めばわかる
  • システム戦略や法律について。略称アルファベットが混ざるのが大変

 

配点は全て均等1.25点×80問の100点満点。

 

そして午前問題の特徴は

過去問の再出題が6割と言われているところです。

選択肢や問題文に多少の変更があるものもあれば、そのままそっくり出るものまで。

午前に関しては過去問の周回がそのまま点数アップに繋がります。

 

午後

  1. コンピュータシステムに関すること
  2. 情報セキュリティに関すること
  3. データ構造及びアルゴリズムに関すること
  4. ソフトウェア設計に関わること
  5. ソフトウェア開発に関わること
  6. マネジメントに関すること
  7. ストラテジに関すること

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:試験要綱・シラバス など

 

基本的にこれらがそれぞれ大問1つずつ出ます。

午後問題の最大の特徴は、過去問は一切出ないことです。

※解き方が似た問題は出ます。

 

その場で初見の問題と向き合う力、読解力が試されます。

 

解答形式としては2.3.5が必答で、残りの6問から4問を選んで解答します。

配点は3.5が20点×2問、残りが12点×5問の計100点です。

ただし大問内の問ごとの配点はわかりません。

 

そして特殊なパターンかいくつか。

1については更に細分化された3つのジャンルから、大問が2つが出る方式。

そして5のソフトウェア開発というのがいわゆるプログラムのジャンルになります。

C、javaアセンブラ表計算(エクセル的なの)に加えて、次回試験からはCOBOLから変更されたPythonが選べます。 

おすすめは表計算……と良く言われますが、私は表計算には全く触れずにC言語に決めてしまったため、本当におすすめかはわかりません。

エクセルと似ているという点では確かに1番とっつきやすく、習得しやすいかと。

C言語でゴリ押しする利点を強いてあげるとするのであれば

擬似言語の表記方法はC言語とよく似ているため、20点配点の必須問題が2問同時に勉強できる

ということでしょうかね。

正直なところ積極的におすすめはできませんが、プログラミング言語、特にCに触れてみたいと思っている方はこれを機会に勉強してみるのもいいかもしれません。

 

 

使った参考書

このページを見てくださってる方の大半がまず知りたいのはここでしょう。

ということで。

私が使ったのは主に3冊です。午前、午後で1冊と選択問題のC言語用。

 

午前用

平成31/01年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室

平成31/01年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室

 

本屋さんで5種類くらい比べてみてこれが1番しっくりきたので選びました。

よく情報技術者系でおすすめに上がるキタミ式ではなくこちらを選んだ理由は

 

  • 知識がない初心者にもわかりやすい、イラストや覚え方のコツが多くある
  • 情報量がそれなりに多く、これ1冊で午前対策が完結できる
  • 元ががっつり文系なので、文章は量・質共に問題なく読みこなせる

 

というところ。

 

キタミ式はイラストが多い分、同ページ数だと情報量が少ないように感じました。

とはいえ9割?くらいの内容は網羅できるようなので

文章が苦手、かつ本当に知識がないよーって方にはキタミ式の方がおすすめです。

 

この2冊はイラストを多く使って初心者にわかりやすく書かれていますが、

逆に、ある程度の知識をお持ちの方には物足りなく感じるかもしれません。

好みと元の知識量で選んでいいと思いますが

何したらいいかわからないレベルの初心者の方は、

まずこの2冊のどちらかを買って読むといいと思います。

ちなみに過去問はWEBサイトを利用。その他実際の使い方などなど詳しくは後で。

 

 

午後(全般)用

午後試験をざっくり全部網羅するために買ったのはこちら

情報処理教科書 出るとこだけ!  基本情報技術者[午後]

情報処理教科書 出るとこだけ! 基本情報技術者[午後]

 

午後試験は午前の発展形だから、午前やっとけば大丈夫だよーって言える人は

基本情報レベルの知識を既に持っている人です(偏見)

1から勉強する人は午後対策しないと、恐らく受かりません。

午後の過去問をぱっと見でスラスラ解けるスーパー初心者以外は

とりあえず何かしら午後対策した方がいいです。

特に擬似言語はまず無理です。(これも後述します)

 

この問題集のおすすめポイントは

  • それぞれの単元ごとに独立した解説がある
  • 過去問よりは単元の説明メイン
  • 章末の過去問の解説も丁寧

 

過去問の答え見てもちんぷんかんぷんだわ!  というあなた(と私)にぴったり。

逆に過去問をたくさん解いて練習を積みたい方には不向きです。

 

ただこれ1冊だと過去問がほとんどないので若干不十分です。

私は職場の人がくれた↓の26?年度ので過去問を最後3.4日で解きましたが、

問題と答え自体は公式サイトで全部公開されているので、無くても何とかはなりますが効率が悪いのでさくっと1冊買っちゃった方がいいと思います。

平成30-01年度 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午後】 (情報処理技術者試験)

平成30-01年度 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午後】 (情報処理技術者試験)

 

 

午後(C言語)用

先述の通り、基本情報ではプログラミング系の問題が1問必須です。

「初心者には表計算(要はエクセル)がおすすめ!」

とほとんどのサイトに書いてあるんですが、

ワタクシお恥ずかしいことにエクセルがまーー苦手でして。

擬似言語と似てるしCならそこまで難しくないよ、と同僚の助言再びでCを選択。

(なおその後また非常に後悔することになるのですが) 

改訂3版 基本情報技術者試験 C言語の切り札 (情報処理技術者試験)

改訂3版 基本情報技術者試験 C言語の切り札 (情報処理技術者試験)

 

この本に関しては同僚に絶対的におすすめされました。

とはいえ自分でも確認しなければ、

と本屋さんで3.4冊と比較したものの、この本が1番わかりやすかったです。

 

・基本情報の試験に出るところ『だけ』を重点的に解説している

・プログラミングとはなんぞや、というレベルの初心者を想定した文法解説

・試験問題の解説が行レベルで非常に細かい 

 

3点目が特に初心者へのおすすめポイントです。

他の参考書だとプログラム全体の解説で進むこともあるのでさが、

この本の場合は1行ずつトレースしながら説明してくれます。

しかも問題を解く時と同じように頭から読み、わからないから一旦飛ばしましょう、などと順を追った解説になっています。これ本当に超重要ポイント(だと思う)

 

なんかよくわかんないけどC言語がいい!  っていうチャレンジャーな人には

これが絶対的におすすめです。

過去問も10問+擬似言語4問あるので、

詳しい解説の付いた過去問集が欲しい方も使える1冊でした。

 

大まかなスケジュール

トータルの勉強時間は150時間くらいです。

厳密には数えてませんが大体それくらいかなと。

抽象的に書くとわかりにくいかなと思って日付で書いてありますがうろ覚えです。

()内は平均勉強時間です。何故か平日の方が真面目に勉強してた気がする。

 

◯8月 (1時間)

・13日 ギリギリで受験申し込みを決める

――何をしたらよくわからず2週間を棒に振る――

・下旬 とにかく何か参考書を買わねばと午前用の栢木テキストを買って読み始める

 

◯9月  (1〜2時間)

・上旬  大体2週間で1周目読破。午後のテキストに手をつける

・13日  午後テキスト読破。読解系は問題なく解けるが、擬似言語で盛大に詰む

20日  並行して読んでいた午前テキスト2周目終わり。全体を大まかに覚えた

 

◯10月  (2〜3時間。直前は4時間くらい)

・1日    10月に入ってなお擬似言語が全くわからないため、ひとまずC言語を始める

・3日    C言語すごく面白い。Cの切り札文法編120p×2周を3日で終了

・4日    ところがそうは上手くいかない。問題編に突入するも理解不能

――この後Cも擬似言語も解けないまま暗黒時代に突入。モチベが死ぬ――

・6日    試験2週間前。過去問道場(WEBサイト)をスキマ時間で周回し始める

 

・16日  突然C言語の問題のプログラムが読めるようになる ※試験5日前です

・17日  ついでに擬似言語も読めるようになる。Cを選んだ理由がようやく開花

・19日  とはいえ最後まで正答率が安定しない。前日だしと諦めて10時半に寝る

20日  当日。朝起きるという難関を突破して試験会場へ

 

というところでしょうかね。

かなりの詰め込みスケジュールなので、1日に取れる時間が少ない方や

文章を読むのに時間がかかる方はあと1.2か月多く取ることをおすすめします。

私は仕事で情報系を扱ってたので仕事ついでに復習できてましたね。

詳細は次で追々。

 

勉強法

午前編

ゼロから始める方は、何がともあれ午前問題のテキストを読みましょう。

まずは流して1周読みます。心が折れそうになりますが読みます。

ちなみに筆者は1周

分厚い本でわからない言葉もたくさん出てきますが、とにかく1周読みます。

このタイミングで100%理解する必要はありません

説明を2回読み直してわからない場合はひとまず先に進みましょう。

 

というのも、テキストには単元ごとに分けて書いてありますが

実際には別の単眼同士の意外なところに繋がりがあることもあります。

1周目でわからなくても、ぼんやりと覚えた知識を頭の片隅に置いて

2周目を読み始めてみるとあら不思議。わかることが増える増える。

とはいえ2周目でも全部覚える必要はないです。

終わったら過去問道場でどんどん過去問を解いて覚える方が効率がいいです。

www.fe-siken.com

開催年度やジャンル、計算問題や解説の有無などを細かく設定できるサイト。

クイズ感覚でサクサク解いて数を積んでいきましょう。

というのも 、午前問題の約6割は過去問の流用です。

全く同じものから選択肢が若干異なるものなど様々ですが、

似たような問題がかなりの量、出題されます。

4択なので、あ、この言葉見たことあるなーというだけでも正答率は上がります。

100問200問と解くと自分の苦手分野がわかると思うので、

その部分をテキストを使って潰しつつ、問題に慣れていきましょう。

 

また、不正解の選択肢についてもきちんと解説を読む

他の問題でも後々役に立ちます。

正解したやったー、だけでは身につかないので解説を読む。これ大事。

 

午後編

午後は午前の知識がベースになってはくるものの、

午前を完璧にしてから午後に手をつけていたのではまず間に合いません。

余程の時間があれば別ですが、効率よくやるなら並行するのがおすすめ。

午前のテキストを1周読み終わって概ね知識を身につけたら

とりあえずでいいので午後のテキストにも手をつけていきましょう。

 

特に選択問題のデータベース分野のSQL、必須問題のアルゴリズム(擬似言語)とシステム開発(プログラム系)は午前の知識では歯が立ちません。

 

SQL

SQLは出る範囲が広くないので、読み方がマスターできれば得点源になります。

(最初はさっぱりわからなくても、コツがわかるとかえって簡単な分野に……)

逆転の発想で、午後が解けるレベルの知識を身につけてしまえば

午前のSQLで確実に1.2問取れるという利点も。

あとSQLは元々の分野的に新しいものが出てこないので、過去問で対策できます。

そしてここまででSQLがなんぞやという方はレッツすたでぃ。

SQLが全くわからない筆者が1か月で小問満点取れるくらいの難易度です。

諦めなければ絶対取れます。(ただし出ない可能性も0ではないので悪しからず)

 

じゃあ知識があればどうにかなる?

午後は午前の知識の発展系が求められる問題ももちろんありますが

最終的には読解力がかなり重要になります。

文章の中にちょこっと書いてあることが解答に直結してたり

そもそも分野の知識がなくても、文章読むだけで解ける現代文の問題もあります。

今回出た4/6選択問題の中でも、実に3問が(多分)予備知識なくても解けました。

ちなみに問5.6.7なんですが筆者の正答率としては16/17。1ミスです。

文系だと諦めないでください。

寧ろ読解力が求められる午後問題の一部は文系の方が強い。(偏見)

 

擬似言語がわからない!

筆者にも必勝法はわかりません。というかあるんなら私が知りたかった。

こればかりは解いた数で勝負するしかないです。

ただしいくつかのポイントを抑えると効率が上がります。

  • トレースしつつ、どんどん書き込みながら読む
  • どんなにわからなくても15分は向き合ってみる
  • 何日か経ったところで、簡単な問題を解き直して自力で解けるか確かめる
  • 解説を1回1回しっかり読み込む

プログラミング言語に全く触れたことがない方は、最初は読み方すらわからないと思います。筆者もそうでした。

そんな時に頼りになるのは詳しい解説。

解説と問題を見比べながら理解できるまで読む癖をつけると、そのうちぼんやりとセオリーとかよくある表現、文の繋がりがわかるようになってきます。

 

そして擬似言語とC言語は読み方がよく似ています。

だから擬似言語が読めるようになればC言語も読めるようになります。

そこがC言語唯一のおすすめポイントです。

どちらも20/100点、つまり2問で配点の4割。

苦手だから……と避けているうちは合格は難しいでしょう。

 

しかし!

 

解けるようになってしまえば逆に大きな得点源になります。

根気よく取り組んでいきましょう。

 

なお、筆者は擬似言語用のテキストは使いませんでした。

↑の午後問題の過去問とCの切り札のみ。

同じ問題を3回くらい、覚える寸前まで解いて

自分が今どれだけ解けるのか、何が理解できないのかを洗い出していけば

テキストをあれこれ買わなくても解けるようになりますよ。

 

 

おわりに 

基本情報技術者試験は決して簡単な資格ではありません。

しかし、根気よく取り組めばセンスや才能は関係なく取れる資格でもあります。 

スキルアップを目指す人、特にコンピュータシステムに関わる人であれば、勉強して損はない資格だと思いましたし、

国家資格ということで、自分の能力のわかりやすい証明にもなります。

 

興味あるなあという方はまずは勉強してみてください。

今まで自分が何気なく使っていたコンピュータやシステムの仕組みが、少しでもわかるというのは非常に楽しいものですよ! 

 

試験は年2回、次は4月です。

まだまだ十分間に合いますね!

 

受けてみようかなあとお考えの方の役に少しでも立てれば幸いです。

長々とお付き合いありがとうございました。ではでは。