自由記述欄

広く浅く履修するオタクの戯言。

朝彦と夜彦1987(Aチーム)

 

朗読劇「朝彦と夜彦1987」を観劇しました。

 

gorch-brothers.wixsite.com

 

こちらの朗読劇、チームが4つに分かれていて、今回観劇したのは

 

Aチームの谷口賢志さん・窪寺昭さんペアです。

 

あらすじ(上記の公式HPより

 大人になった山田朝彦はかつての親友・山田夜彦のことを思い出す。

 ―高校時代、二人は親友同士だった。

 誰しもの心に突き刺さる「10代の頃に果たせなかった親友との約束」を描いた物語。

 

30歳の朝彦・夜彦と、17歳の朝彦・夜彦。

視点が移り変わりながら進むお話です。

 

お芝居を観に行ったことは何度かあるのですが、朗読劇は初。

元々映像作品で好き+文ステ黒の時代で感動したのでチケットを無事に確保……

と思いきや。

 

一緒に観に行くはずだった相手が直前で行けなくなってしまい。

急遽、観劇経験のほとんどない友人と一緒に観に行きました。

開演4時間前で時間がなかったので

「演目は全くわからないが演技は絶対素晴らしいので来てほしい」

とゴリ押しでついて来てもらうことに成功。

 

 

結果。

 

なんかすごかった。

 

というお言葉をいただきました。

 

 

 

いや全くその通りというか私も同じ感想なんですよね。

この後はネタバレになりますのでご注意。

 

 

まず会場に入ってすぐ思ったこと。

 

舞台と客席がめちゃくちゃ近い。

 

 

あんまり下調べせずに勢いだけでチケット取っちゃったんですがキャパがなんと120。

今回の席はF列でした。6列目ですね。

舞台と客席の間に若干スペースがあるはずなのに近い。

 

とにかく近い。

 

え、これここで本当に演劇始まるのかってびっくりしました。

 

そして朗読劇だというので座って台本を読むタイプかなと思いきや。

あれ。舞台に椅子が1つしかない。

しかも事務用の回転椅子。

 

何が起こるのかますますわからなくなったまま、いよいよ開演。

 

いやー。

生声の演技ってすごいですね。

 

今までマイクありのお芝居しか見たことがなかったので

第一声から迫力にやられました。

 

そして近すぎて一挙手一投足が何もかも全て見える。

朗読劇で一挙手一投足っていう表現が正しいのかわからないんですが

お二人ともすっごい動くんですよほんとに。

朗読ってなんだろうっていうぐらい。止まってない。

生身ひとつだけの動きがそこにありました。

 

上手い言葉が見つからないですが

台本のある即興劇というか

普通の舞台以上に同じものは二度と見られない空気感があるというか

とにかく「ナマ」でした。

 

前半は息ぴったりの掛け合いに笑いがこぼれ。

中盤からは台本から顔を上げた時の目力の強さに圧倒され。

後半の腹の底からの叫び声に思わず涙し。

 

特に、17歳の夜彦が眠れずに段々とやつれていく様は

本当にやつれるはずがないのにすごく怖かったです。

 

そしてラストシーン。

解釈が色々分かれるところかと思いますし、私も何が正解かわからないんですが

個人的には夜彦は熱中症で倒れたのではなく

そのまま亡くなってしまったのではないかと感じました。

 

朝彦は人が落ちる音がどんなものかを知ってしまって、

それは頭にこびりついている。

入ることができなかった屋上の扉の前で聞いた音はそれとは違っていて

つまり夜彦が熱中症で倒れた音である。

 

けれどそれを冷静に分析できたのは、長い時間が経ってからのことで

朝彦は当時、夜彦が飛び降りたものと勘違いして逃げ出してしまい(約束を守らなかった、というところから)

熱中症で倒れただけだった夜彦は、誰にも発見されなかったことで亡くなってしまった。

 

17歳と30歳の夜彦の雰囲気があまりに違うのは、単に大人になったからではなく

それは朝彦の想像上の、こうあってほしいと思う「30歳の夜彦」であって

時を経るにつれて朝彦の「夜彦像」が乖離してきてしまったのかなと思いました。

 

父親の自殺をきっかけに歪んでしまった夜彦。

夜彦の死をきっかけに歪んでしまった朝彦。

 

けれども30歳の朝彦は生きて、新しい家族ができていました。

それは何故か。

心の中で常に夜彦と共にあり、精神の安定を保っているから。

自らが作り出した「夜彦」に救われ続けているから。

 

だったのかなあと大枠で解釈しました。

一発書きなのでだいぶうろ覚えかつ文章がまとまってませんが。

 

 

 

解釈についてはどのグループを観劇したかによってもだいぶ違いそうな気がします。

残念ながら他の公演を観に行くことができないのですが、

もしかすると夜彦が亡くなっていない、本当に単に熱中症で倒れただけ、

という解釈に辿り着くグループもありそうだなと。

 

 

 

 

 

開演前に流れていた音楽が尾崎豊さんっぽかったので

世代じゃないのもあってよくわからずその辺のことも考えてみたかったのですが

とりあえず眠気で文章が全くままならなくなったのでひとまず終わり。

またそのうち書き足すかもしれません。それでは。